ご注意:こちらの作品は軽い性描写があります。 簡単な解説:地理についてはこちらへ 神々については、旧五神がエウシェン(現在の至高神)、双子の弟のルーフェロ(現在の魔界の王)、彼らの妹のグウェンドリン(月の女…
香水(ルーフェロの夜:4)
ルーフェロの夜は夜毎の舞踏のほかに、親しいものや新たに交流するための場がいくつも設けられる。地上における政治的な駆け引きはもちろん、魔界での力関係が無視できない場所だ。食事や酒の相手、果ては閨の相手になるかは当人次第で…
069 腐れ縁
幽玄の島オディールの中心市街地には魔族が統治するこの地において少しばかり異色の施設がある。 信仰も人種も自由な地ではあるが、ラ・ハエルを祀る大聖堂はリブ・ヴォールトのアーチが美しく、壁体の開口部にはステン…
誕生日(ぬるめのお題049)
ルーフェロの夜が間近に迫り、ルベウスは黒鳥城の一室で旧友の夜会服の着付けに手を貸していた。 一人で服だけ渡してもいつまで経っても終わらぬという経験からだ。 釦の多いシャツは一つ目で恐らくうんざりした顔を向けるだろう。 暫…
悪戯(ぬるめのお題030)【R-18】
数日前から旧友が城に滞在しているのだが書庫の隣に自分で誂えた部屋から殆ど出てこず調べ物に夢中になっているようで城主であるデキウスは些か退屈な日々を送っていた。 旧友が城を訪れていないのならばそれはいつもの事なのだが、すぐ…
薔薇の花束(ぬるめのお題026)
デキウスの呼び出しは気まぐれで、いつも突然だ。もちろん入手した書物や用事に絡めてくることもあるが、大抵は個人的にどうでもいいことだ。 ルベウスがナハトメレクの庭で、 薔薇に似た雪白の花の群れの間に立って真珠をつむレジ…
メール(ぬるめのお題024)
お題がメールでしたが、ファンタジーにそんなものはないので(笑)、書簡に置き換えて書きました。 【デキウス編】 ナハトメレクから大鴉が書簡を携えてデキウスの城に舞い降りる。影に伝えればいいものを、ルベウスがこういう形式め…
いちばん大切(ぬるめのお題014)
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ストーカー(ぬるめのお題011)
時折自分の進む方向から微かに影がずれる。 それは意識して見ていても気付かないが、瞬き一つの間遅れることがあった。 ルベウスはそれが何故かと思う事は一度としてない。 影が旧友の一部であると知っているからだ。 同じ…
『約束』(ぬるめのお題012)
デキウスの広すぎる城の一角に、広すぎる住まいに相応しくどうでもいいものばかりが詰め込まれた部屋がある。物置と呼ぶにはよく手入れされており掃除も行き届いているが、本来使われてこそ意味のある家具や道具が無造作に置かれていた。…