黒と赤

 聖界時代

【聖43】 「じゃれるように」「指を絡める」。キーワードは「主従」

 巷ではルベウスがシャリートの子飼いであることは周知の事実であり、彼が主人の命で閨の仕事までこなすことから、その主従関係に肉体的なものまであると暗黙のうちに思われていた。  ルベウスは尋ねられれば否定するが、相手がそれを…

聖33-2 【9/29】

 許されるタイミングがあれば触れ、唇を重ね、情を交わすのが日々を占めはじめたころ、デキウスはルベウスのある表情に気付いた。  恐らくそれは自分しか気付かないであろう、熱の低い薄蒼の眸のさらに奥で揺れる僅かなものだ。そこま…