黒と赤

世界年表

本サイトで扱うのは、聖戦前夜あたりから、現代までです。

およその年 できごと その他
太古 闇より混沌が現れ、混沌からさまざまな意識が表れる。
意識の集合体が雨となり地上に降り注いだ
それらはまだ肉体を持たなかった
不明 意識たちは黒い生き物を作り出した。
黒い毛皮の生き物、黒い皮膚の生き物、黒い羽毛の生きもの。
それらは地上に増えたが知性ある生きものではなく、影同然であった。
ヒトガタ以外の生き物全ての誕生でもある
創世元年

風切り羽に一筋の白を持つ黒鳥が生まれる。
それは「寂しい」という感情を持ち、自らの羽毛から人を2人作り出した。

彼らこそがクリスタローシュの祖、エウシェン(Eugen)ルーフェロ(Lufero)の双子であった。
黒鳥は2人を守り、育て、やがて最後に一つの卵を産むと実体の無い混沌に戻ってしまった。

二神の誕生
創世から
1000-2000年後?

2人はそれを悲しみ、その悲しみを混沌が聞き届けて、残された卵を二つに割ったところ、あらゆる感情があふれ出し、一瞬で肉ある生きものへと散っていった。

 ある者は喜びを知り、ある者は憎しみを知った。そしてそれらの感情は瞬く間に伝わり広がった。

最後に出てきたのが白く輝くグウェンドリンで、彼らの妹でもあった。

最古の竜族もこの頃に感情と共に知性を得た。

同時に原始魔族と呼ばれる邪悪な存在も誕生する。

聖戦終結より
およそ2-3万年前

 

 

 

 

 

世界と人類の
創造

混沌は殻を天と地にわけ、黒鳥の右目を太陽に、左目を月にした。
翼を天空に広げ雲や変化する天候を作り、風切り羽の白さを光の矢とし、昼と夜を作った。
世界に色彩が溢れた瞬間である。

水かきで大地にくぼみをつくり海と湖を作ると、残った赤い嘴でエウシェンたちを助けるための存在を2柱(2人の神)作った。
一つはアコール(Achor)という『混沌の王』で、善でも悪でもなく喜びでも悲しみでもなく、そして同時にすべてである原始の存在。

もう一つはルートゥアンと名づけられ、あらゆる武器を跳ね返す輝くうろこで覆われた水竜であった。(水竜だが、炎を吐き稲妻を呼ぶ。当然、水系の魔術にも長ける)

ルートゥアン(シャリート)はすべての水を支配下に置き、強大かつ勇猛で冷酷無比であり、三神と対立した。

その姿は美しく、力の強大さは太陽と月をも脅かした(日食と月食)が、混沌に知性を与えられ3位の聖族として六葉の翼とともに迎えられることで(熾天使)エウシェンたちと対立することをやめる。

しかし月と太陽を定期的に食うかわりに、世界の終わりにその身を神々に供し、再生させる役割を負わせられた。

混沌は黒鳥の残った羽毛であらゆる種類の人々と生きものを作り、エウシェンたちに与えて治めるよう命じた
やがてエウシェンとルーフェロは全界の王、神々の頂点となり、アコールとルートゥアンの助けを借りて世界を統治し、妹のグウェンドリンには月を支配させた。
人類の創造
当時つくられた人類は『古代種』と呼ばれる。
聖戦終結よりおよそ
1万8000年前

エウシェンが人々に言葉を与え、ルーフェロがそれらを操れるようにと文字を与え、グウェンドリンが広めるために歌を作って与えた。
これら原始の言葉には力があり、音楽もまた同様で、それらを自在に操れることは識者であると同時に術師でもあった。
現代の魔法はこれらの残り火のようなものである。

このころにエルフ族も人間とは異なる別種族として分かれ、最盛時には現在のアル=ノーブレからエル=パルーダにいたるオディールを囲むエリア全てと、アケロイディス山脈沿いにも居住地があった。

言葉、文字、音楽の創造

人々は神々を讃える歌と祈りを数多く作り、それらが捧げられると神々は信仰から力を得た。

聖戦終結より
およそ
1万5000年前
人間には定められた寿命からの死というものがなかったので、人々はどんどんと増え、争いが満ち、やがて特に秀でた者が人の上に立ち、言葉から力を得て、神と名乗る霊性を手に入れたと同時に、人々が作り出した信仰からも新たな神が生まれた(下級諸神の誕生)

人に老いや病による死はなく、戦いでの負傷では単に消滅し、魂と言うものもなかった。

人々は大陸の各地へと散らばり、聖戦後で言うところの洗練された『古代文明』を花開かせ、グランディナに受け継がれている建築や彫刻の技術を完成させていった。

聖戦終結より
およそ
1万2000年前

原始五神は人間のこの状態を危惧し、原始の言葉をかき混ぜて混乱させて言葉の本来持っていた強い力を削ぐと同時に、神と呼ばれる霊性を持ったものを聖族の列に加えて邪悪なものや人と区別した。

 

ルーフェロはこれ以上人を増やすべきではないと主張し、エウシェンは人の善性を信じてこのような状態が続くはずがないと主張した
ルーフェロは生きとし生けるものに生命の終焉の時を与える、とした。『死』の誕生であり、人は魂を得たのである。そして肉体の放棄によってのみ生者にはない力を与えた。

エウシェンは魂を救うために『転生の門』をつくり、グウェンドリンに仕える戦乙女(ネロ・ヴェネリア)たちに魂を集めて『転生の門』まで届けるよう命じた。

同時期、原始魔族のなかでより集団化し、凶暴化したものが各地で暴れるようになり、『聖族』の仕事の一つの魔族討伐は重要な位置を占め、特に邪悪・凶悪なものは冥界へと追い立てられていく。

世界が『聖界』『人間界』『冥界』にわけられる。

 

死が作られたことによって魂が生まれ、転生の門が作られた。
存在し続ける限り力は増すが、肉体を再び得ることはできず、肉体を再び得る(転生)には、力の放棄が必要だった。

転生が認められなかった魂は、冥界へと送られて永劫に囚われる。
死を与えられた人類を『現生人類種』と呼ぶ。

聖戦終結より
およそ
1万年前

エウシェンは小さな神々を吸収し、あるいは破壊して勢力を強め、やがて『至高神』名も『ラ=ハエル』となり、「輝ける高貴な存在」としてと名乗るようになる。
絶対的な善と愛、永遠の幸福、それらを地上に説き広め、あるときは下級神を懐柔して変わらぬ地位を約束して天使として迎え、彼らが既に持っていた影響力も利用して、至高神の存在を広めていく。

 

この頃、原始魔族を組織化して地上を繰り返し蹂躙し、聖族に戦いを挑んでいたた『奈落の王(あるいは冥王)』・ドゥーガル(Dubhghall)が聖族の戦天使たちによって冥界の最深部に封じ込められて繋がれた。
エウシェンは彼に冥界を統べる役割を与え、冥界の魔族や転生できない邪悪な魂が地上へ出ないように監視(必要に応じては喰らうことも認めた)することを命じる。

ルーフェロはそんなエウシェンのやり方に不満を持ち、物事には必ず二面性があり、生命の誕生があるならば死が、善があれば悪があるのが必然だとし対立を深めていく。

聖戦終結より
およそ
2000年前

聖戦勃発
双子神の対立は天界を二分して戦争が起こり、地上をも巻き込んで人々はそれぞれ信仰する神のために国家レベルでも戦った。人間の目線で言えば宗教戦争である。
(双子神の妹、グウェンドリンは中立と沈黙を護った)

その間も奈落の王の名を騙り、地上を奪おうとする原始魔族軍の蹴撃は絶えず、常に彼らの攻撃の最初の地となる場所を護るため、小国の王が近隣の王を説得・統率して、「ベールヴァルド」を建国。
この場所はアケロイディス山脈の恵みと、大陸の東西を結ぶ街道の中間地として陸路貿易で栄えており、豊かな地域であった。
彼らは神々の対立よりも人の住む土地を護ることを優先した。

国が滅び、その国を守護していた神を信仰していた人が滅びれば、神の力も弱まっていく。
天界の3分の1の聖族がエウシェンに、3分の1がルーフェロに、そして残りの3分の1は戦争と時代とともに忘れ去られ消滅した。

 

聖戦の名の元に人間の国家も戦争を繰り返し、興隆と滅亡を繰り返して全体的な人口が大幅に減り、それとともに古代種人類(不死であった時代)の技術や文化も多くが失われた。

聖戦終結より
およそ
1800年前
神々の戦いと原始魔族との戦いに疲弊し、国を失った民たちが、ラ・ハエルの加護により平和を得ようと唱え、次々に西方へと移動、グランディナ皇国として独立する。
彼らは敬虔にラ・ハエルだけを讃え、信仰し、その祈りで神の力を増し、結果的に魔族と闘う盾になるのだという教えを各地に広めることを自分たち(国民)の使命とした。
この時どこの土地にも定住せず、国家を持たず、自由と引き換えに流浪を選んだのがゾラの民の初めと言われている。
聖戦終結より
およそ
500年前
このままでは双方が最後の一人になるまで戦い、世界も神々も滅ぼしてしまうという意見で一致。
ルーフェロは彼の考えに同意し、あるいは従った諸神を率いて天界を下り、100年ほどの年月を要して冥界の上に壮麗な魔界を作りそこの王となった。
これがオディールの祭り「ルーフェロの夜」の謂れでもある。

魔界は冥界の上に作られたものなので、天界を離れたことによる聖性の著しい欠落や冥界からの瘴気、影響もあって、魔界へと下ることによって性質や姿を大きく変質してしまった者も珍しくない。

翼の消失、劣化、変質、角や牙の隆起、残忍性、好戦的気質の増幅など様々であり、場合によっては物理的変化に耐え切れず消滅してしまったケースも多い。

聖戦終結

和解ではなく世界存続(つまりは神としての自分たちの存続)のための休戦が提案・実行された。
グウェンドリンがエウシェンに薔薇を、ルーフェロに百合を手渡して交換させたといわれており、5月9日の聖戦終結記念日となる。

人間の地上国家はどこも国力の衰退、経済状況の悪化と貧困をたどり、今度は神々を介さない国家利益を追求するの戦争が頻発するようになる。

冥王ドゥーガルは永遠にゲヘナに繋がれて、ゲヘナの監視を命じられているが、地上にはたびたび冥王を名乗る将を頂いた大規模な軍勢が現れて人間を脅かすことが続いている。
聖戦終結後約1500年 現クリスタローシュの舞台となっている時代 神々が天界と魔界に居を分けてから、地上にはその影響力が著しく減った。
だが、魔界へと下った旧神たちは今も見返りがあれば人の祈りに応えるので、禁断となった、あるいは忘れ去られた呪法を得るために魔族と契約を結ぶ人間は少なくない。


上記に出てきた以外の国家成立は、また機会を改めて年表を追加したいと思います。

西方大陸は聖戦の前後で分けた『共通暦』と呼ばれるもので歴史を追っていますが、
グランディナだけは『聖暦』を採用し、自国の建国からの時間で数えます。