黒と赤

人間界~現代

【20170408-2】バニラ

【20170408-2】バニラ

夜会の時間を過ごした独特の香りをまとって、ルベウスが戻ってきた。見惚れるようなしぐさでカフスを外してくつろごうとする手首を捉えて、我がままなほど身勝手に抱きしめ、そのまま床へともつれ込む。 「皺になる」 苦笑を混じらせた…

【20170408】いざなう

【20170408】いざなう

  ある日、柴さんから「この服をきて、胸がバーンとしてる領主を描いてくだちゃい」と写真が投げられてきました。女性のビスチェみたいな服です。それを筋肉マッチョに着せろというww 私は筋肉を描くのが苦手です! だい…

1周年記念小説 【R-18】

1周年記念小説 【R-18】

倦怠や退屈という感覚は、淀んでまとわりつく水が何かをゆっくり腐らせていくのにも似て、それを感じると波立たせて足掻きたくなるのが常だ。  オディール島の黒鳥城は旧五神の一人があるじで一年の殆どを不在にしているが、人間との共…

【10/5】労わる

【10/5】労わる

     暫くナハトメレクの城にいる、とルベウスは言った。それが仕事であることは承知している。そして会いに行くために遠い距離でもない。  一緒に来いとか、訪ねて来い、と言わぬ男だ。  寝台が無駄に広く…