黒と赤

【聖37】お題『君ら隠してるつもりだろうけど普通にバレてるからな?』

こんな接触してるけど『君ら隠してるつもりだろうけど普通にバレてるからな?』と周りで思われてるといいwというお題でしたが、朝の30分で書き損ねた感満載ですw


 デキウスに腕を掴まれ、引きずりあげられるように立つが、下肢に残る甘さで思わず縋るように肩に爪を立てて苦笑する。そして普段にはない色を称えた薄蒼の双眸で顔を覗き込むと、また間近になった唇を食んだ。
「そろそろ戻らねば」と、惜しむようにキスをしながらルベウスが言う。
 泥と魔物の血で汚れた、軍装のたっぷりと長い裾の影になるのをいいことに、デキウスに足と腰を抱えあげられ立ったままの姿勢で性急に交わった。
 不自然を強いた身体が痛むが、それよりも餓え(かつえ)ていた渇きが少しばかり落ち着くほうが安堵する。
 ルベウスが深紅の翼を左右に広げると、デキウスは背と翼の付け根を軽くなぞった。
 たちまちルベウスの翼が震え、当人は恨みがましそうに冷たく睨んでくる。肉体を纏っていても翼はアストラルの要素が大きく、ゆえに自由に出し入れできるのだが、肉体とアストラルが触れている部分は、性感帯に近いほど敏感だ。むしろそんな甘いものより急所に近いのかもしれない。だからそんな場所を触れさせるのも、触れるのも、お互いが心身ともに許しあわないとできない行為ともいえた。
「手軽じゃないか」
 デキウスが笑いながら、天へ戻るために同様に翼を広げる。
「いつかお前の翼を毟ってやる」
 ルベウスの悪態に笑うと、もう一度短いキスを交わして、二つの影が虚空へと舞い上がった。


 

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