黒と赤

百年のキス【R-18】

氷壁の向こうのような冷淡で薄青の眸が微熱に蕩ける。

俺を貪欲に見つめ、少しの躊躇いもなく快楽に浸りきり、淫靡な笑みが滲む表情で俺が欲しいと誘う。

男がかぶり慣れた冷静な仮面を剥ぐ愉しみで百年。

この俺を求める一瞬を見る満足と優越の代わりが見つかるまで、そう思いながらさらに百年が過ぎた。

次は柔らかな舌を貪り、血の味がするキスをしていたらまた百年が過ぎそうだ。

 

百年のキス